【東大生が考察】家庭教師バイトが知りたい英語の教え方のコツ【中学・高校】

【東大生が考察】家庭教師バイトが知りたい英語の教え方のコツ【中学・高校】

はじめに

「どうやって教えれば生徒の成績が上がるのか」

これは、家庭教師のアルバイトをしている方やしようと考えている方の多くを悩ませている問題だと思います。

なかでも英語の教え方は難しく、生徒に英語をどうやって教えれば良いのだろうと授業の進め方に困った経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
自分が高校までに受けてきた授業を再現しようにも、教室で行われる“多対一”での授業と家庭教師の“一対一”の授業とでは勝手が違います。
さらに生徒によって理解度や得意不得意はバラバラで、どんな教え方が良いのか一つの答えがあるわけでもありません。

難易度の高い英語の指導ですが、生徒それぞれの状況や目標に合わせて最適な授業形態を選ぶのが家庭教師の腕の見せ所!
英語を上手く教えることができれば、生徒の成績アップにも大きく貢献できますし、ご家庭からの信頼や評価も上がることでしょう。

そこで今回は、「迷える家庭教師必見!英語の教え方のコツ」を詳しく解説していきます。
この記事で英語の授業のコツを押さえて授業の質を上げ、生徒さんの成績アップに繋げましょう!

使える英語の授業スタイル①長文問題を解く

家庭教師が英語を教える際の授業パターンで、最も多いのが「生徒に長文問題を解いてもらう」タイプの進め方です。

受験や定期テストでは多くの場合、長文問題が高い点数配分で出題されます。
そのため、長文対策は成績を上げるために有効な即効性の高い教え方なのです。

このパターンで授業を進める場合に家庭教師の先生がよく悩むのは、「教材選び」「授業の進め方」の2ポイントだと思います。
それぞれについて詳しくみていきましょう。

教材選び

文章の長さ、使用されている単語のレベル、問題の難易度など、長文問題の教材はそれぞれ様々な違いがあります。
そのため、たくさんの教材の中からどれを選べば良いのか迷う人も多いと思います。

教材に悩むのであれば、生徒側に教材を選んでもらうと良いでしょう。
学校で使用しているテキスト生徒自身が気に入った教材を使って授業を進めていけば、基本的に問題ありません。
生徒が自分で選んだ方がモチベーションアップにも繋がります。

ただし、生徒本人の学力や目標とあまりにもズレたレベルの教材を選ばないように気を配ってあげる必要はあります。

授業の進め方

一番多い授業スタイルは、生徒が長文問題を解いているのを横で見て、解き終わったら答え合わせをして解説をするというパターン。

生徒が解いている様子を横で見ることができるので、どこで行き詰まっているのかなどが分かり、生徒の実力が把握しやすいのがメリットです。
このパターンで行う場合は、時間制限を設けて生徒に時間を意識しながら解いてもらうのがオススメです。
時間内に解き終わるようにペース配分できるようになると、本番に活きてきます。
特に、入試や定期テストなどの試験が近い時期には、時間への意識が大切になってきます。

制限時間の設定は次のポイントに注意してください。
【過去問の場合】実際の試験時間と問題量から逆算して、その長文問題に費やせる時間を大体でいいので決めてあげましょう。
【普通の長文問題集の場合】問題集にあらかじめ設定された目標時間が記載されていることが多いので、それに従いましょう。基本的には20分程度で終わるものが望ましいです。

ただし生徒が制限時間内に解き終わらなくても、ギブアップするまで根気強く見守ってあげてください。

あまりに時間がかかり過ぎる場合は、教材の長さやレベルを見直す必要があります。
また生徒が長文問題そのものに慣れていない場合は、解説の際に解き方のコツを丁寧に教えてあげるようにしましょう。
個別の問題の解説だけでなく、自分が受験生時代に培った知識やコツを伝授してあげるのも家庭教師の大切な役割です。

また、長文問題を解いていると分からない単語や熟語、文法などが出てくることもあります。
こうした生徒が躓いたポイントは、解説と一緒に別のノートに書き留めてもらうようにしましょう。
ただ単語や文法だけを覚えようとするときより、長文問題を解いたときの記憶と結びつくので定着しやすくなります。
長文問題以外を解くときにも役立つ知識なので、英語の成績全体の底上げに貢献します。

長文問題を解くときに役立つコツの例

①英語の文章は、段落ごとに内容が分かれている。各段落の内容を大雑把に頭の中でまとめながら読むようにすると、文章全体の要旨が理解しやすい。

②下線部についての設問は、その下線部が引かれている文と同じ段落に答えがあることが多い。

③「for example,」に続く部分は具体例なのでじっくり読まなくても文章全体の理解には大きな問題はない。その部分の読解に時間を使わないようにしよう。

④「however」や「therefore」などは、「ディスコースマーカー」と呼ばれる。ディスコースマーカーの後ろには、筆者の主張があることが多いので問題にされやすい。印をつけながら読むようにすると良い。

⑤最後に文章の内容についての正誤問題があるときは、一番はじめに選択肢に目を通しておくと文章全体を理解しやすくなる。

生徒のレベルが高い場合は?

すでにある程度の実力がある生徒や高いレベルを目指している生徒の場合は、授業内で長文問題を解いてもらう方式は少し時間がもったいないかもしれません。
ひとつひとつの長文問題を丁寧にやるよりも、ある程度数をこなして長文に慣れ、速さなどを意識していく方が成績アップに繋がります。

そういった場合は、事前に生徒に問題を解いておいてもらい、授業時間には答え合わせと解説に専念した方が効率的でしょう。
生徒の時間的余裕や、やる気があるかどうかを見て判断してください。

使える英語の授業スタイル②文法問題を解く

長文問題と並んで有効な授業スタイルに、文法問題を解いてもらうというパターンがあります。

文法の知識は英語を理解する土台となる部分ではありますが、細かいルールや例外も多く、結局は暗記勝負といった感じは否めません。
多くの人が躓いてしまうポイントのひとつで、苦手意識を持っている生徒も多いようです。
そのため文法を基礎から抑えていく授業スタイルは、英語が苦手な生徒の成績を大幅アップさせることが期待できるのです。

また文法の知識は、テストの点数に直結します。
覚えたことがテストに出て、点数が上がるという分かりやすい結果が得られるので、生徒が勉強の効果を実感しやすいというメリットもあります。

では、「教材選び」「授業の進め方」の2ポイントについて詳しくみていきましょう。

教材選び

授業で文法の解説を取り入れる際は、学校の教材復習から始めると良いでしょう。
生徒がそのタイミングで覚えるべき文法事項は教科書などで、しっかりとカバーすることが可能です。
また、学校の授業で使われた教材は定期テストにも出やすいので、定期テスト対策としての効果も抜群です。

学校の教材だけでは物足りない場合は、生徒のレベルに合わせて市販の教材を選んであげましょう。
テストや受験直前は、文法問題がたくさん載った教材を使って、実践的な力を伸ばすのも大切です。

授業の進め方

学校の授業で使っている教材などをベースに、文法事項を丁寧に解説するところからスタートしましょう。
英文法に対する苦手意識を払しょくするためにも、生徒の理解度を確かめながら授業を進めることが大切です。

文法の問題集の問題がそのまま試験で出題されることはあまりありません。
教えた文法を使って、どのような問題がよく作られるのかを教えてあげることも大切です。
類題を用意して解いてもらうことで、知識の定着と理解度の確認をするのも有効です。

また、文法を学ぶ上でルールや例外などに関する暗記は不可欠ですが、暗記そのものに抵抗感を示す生徒も少なくありません。
「この文法問題ならこういう引っ掛けの選択肢が出やすいよ」
「自分はこの例外をこういう語呂合わせで覚えてたよ」
など、なるべく自分の受験のときの経験を引き合いに出して教えてあげて、生徒のモチベーション維持に気を配りましょう。

ただし文法を教える際には、中学と高校では必要な知識が違うということを忘れてはいけません。
生徒が中学生の場合は、高校で習う範囲の文法事項を教えてしまわないようにしてください。
下手に発展的な知識を教えすぎると、生徒がかえって混乱してしまいます。

使える英語の授業スタイル③英文の添削

マンツーマン指導で1人の生徒に時間をかけられる家庭教師ならではの強みを活かした、英文の添削指導もオススメの授業スタイルです。

多くの生徒の対応に追われる学校や塾の先生は、1人の生徒にかけられる時間が限られています。
しかし家庭教師なら、教えるのは1人だけ。
ゆっくりと時間をかけて、細かなところまで指導することができます。

では、「教材選び」「授業の進め方」の2ポイントについて詳しくみていきましょう。

教材選び

英文の添削が必要なのは、主に和文英訳自由英作文の2つの形式の問題です。

和文英訳の教材は、最初は学校で使っているもので大丈夫です。
そして学校の授業の復習が終わったら、新しく教材を用意するようにしましょう。
市販の英作文用の参考書や問題集を指定してあげても良いですが、英作文の問題は自分で用意してあげることも可能です。
模試や過去問からピックアップしてみたり、自分で問題を作ってみたりするのもオススメです。

生徒の志望校で自由英作文が出題される場合は、こちらの対策も必要になります。
基本的には過去問を使うのが良いのですが、自由英作文の問題なら自作のものでも基本的に問題ありません。

授業の進め方

教材を準備したら、実際に生徒に問題を解いてもらい先生が添削するというサイクルを繰り返すことになります。

最初は授業中に解いてもらい、問題を解く様子も見ながらアドバイスをするようにしましょう。
生徒が英文を書くのに慣れてきたら、宿題を出して次の授業で添削や解説をするという方式を取りましょう。
添削に時間が必要な場合は、授業の数日前までにメールなどで答案を提出してもらうパターンもオススメです。
その場で添削と指導を行うよりも、さらに細かな部分まで指導することが可能になります。

英文の添削をするときは、ミスをしたポイントをノートにまとめて次に活かすように指導しましょう。
またどうして間違えてしまったのか、単語や熟語、構文をどう使えば良いのかに焦点を当てた解説をすることも大切です。

自由英作文の場合は、様々なシチュエーションで使える表現を紹介するのも良いかもしれません。
使える熟語や構文のストックが増えれば、それだけ点数も取りやすくなりますし、早く英文を書くことができるようになります。

また英文を書くときのコツとして、
・減点されないようになるべく簡単な言い回し書けないか考える
綴りや意味に自信のない単語は無理に使わず、分かっている単語で書くようにする
といった点を教えるようにしましょう。

点数を取るためには難しい単語や熟語、文法を使う必要があると考える生徒も少なくありません。
背伸びせずに、ミスをしないことを意識すると和文英訳や自由英作文の点数は伸びるということを伝えるようにしましょう。

ただし受験生を指導するときは、志望校の入試問題の傾向を確認するようにしてください。
学校によっては、自由英作文が全く出ないということもあります。

使える英語の授業スタイル④単語暗記のコツを教える

最後は、「生徒が単語を暗記するためのコツを教える」というパターンです。

一見すると英語への苦手意識が強い生徒に行う授業のように思われるかもしれませんが、実は英語が得意な生徒相手でもかなり効果的です。
語彙力は、長文・和訳・英作文・リスニングなど、どのような形式の問題でも大きな武器になります。
また、単語の意味や発音を知っているかどうかはテストの点数にそのまま反映されます。
単語の暗記は、英語を勉強する上で絶対に欠かせない基礎中の基礎というわけです。
実際に授業に取り入れる場合は、生徒が暗記へのモチベーションを保てるように単語暗記の大切さをしっかりと説明しましょう。

教材選び

英単語の暗記というと単語帳をイメージするかもしれませんが、必ずしも単語帳が必要なわけではありません。

学校や家庭教師の授業で使った問題の中に登場した英単語を覚えるだけでも、語彙力は大きくアップします。

また単語帳を用いる場合は、学校等で使っているものがあればそれを使ってもらいましょう。
新しく単語帳での暗記を始めたいという場合は、オススメの単語帳をいくつか紹介して、選んでもらうと良いでしょう。
人気のある単語帳には、それぞれ違った良さがあります。
生徒が気に入ったものを使うのがモチベーション維持のコツです。

授業の進め方

まずは授業の中で分からない単語があったときに、他のノートなどにメモをとる習慣を身に着けてもらいましょう。
日々小まめに語彙力を鍛える大切さを伝えるようにしてください。

そして具体的に暗記のコツを教える際には、自分自身の体験をベースに進めます。
単語の暗記方法は人それぞれ。
「見る」・「書く」・「発音する」など様々な方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。

時間に余裕があれば生徒自身に自分にあったやり方を模索してもらうのも良いのですが、効率を重視するなら先生のスタイルを教えてあげるようにしましょう。
単語カードを活用したり、音読を重視したりとオススメの方法を実践してもらってください。

また、ただコツを伝えるだけでなく、単語テストをすることで記憶定着のサポートもしましょう。
生徒のやる気があるようなら、暗記のモチベーションを保つためにも、授業で毎回20問程度のテストを実施してみるのもオススメです。

まとめ

今回は、家庭教師が英語を教える際のコツを、以下の4つの授業スタイル別に解説してきました。

①長文問題を解く→試験での配点の大きい長文問題に慣れ、大幅な点数アップを狙えます。

②文法問題を解く→英語の根本の理解を見直し、生徒の英語への苦手意識を払拭することも可能です。

③英作文の添削をする→学校や塾では難しい英作文対策に時間をかけ、生徒の総合的な英語を伸ばすことができます。

④単語の暗記のコツを教える→受験の先輩として、実際に自分がやってよかったと思う方法を教えてあげましょう。単語テストを行うことで生徒の暗記へのモチベーションを高めることにつながります。

それぞれ異なるメリットがあるので、生徒の状況や目標に合わせて使い分けるようにしましょう。

 

家庭教師は教室で行う授業とは違い、一対一で生徒と接するため生徒へのアプローチの手段もそれに合わせてものが必要となります。
生徒それぞれの実力や志望校に合った進め方や時間配分で授業を設計できるのは、家庭教師ならではの魅力!
一人一人の生徒と向き合い、授業の質を上げて着実に成績アップを目指しましょう。